タイの晩ごはん

日本での仕事を辞めてタイに移住。ライターとして生計を立てています。非駐在日本人夫婦の生活をご覧ください。

カオマンガイとシンガポール・チキンライスの違いって?@ブーン・トン・キアット

はてな読者登録をする

f:id:dctyk:20170610115505j:plain

(門番? Pahon Yothin)

 

こんにちは,タイの晩ごはんです。

当ブログでは何度か バンコクスの美味しいカオマンガイ屋さん をご紹介していますが,今回も行ってきました,が,正確に言うとカオマンガイではありません。

というのも,今回お邪魔したブーン・トン・キアットさんはシンガポール・チキンライスを出すお店なんです。

 こちらのお店は『ブーン トン キアット カオマンガイ ハイラム』として紹介されることが多いようですが,正確な店名は『BOON TONG KIAT HAINANESE CHICKEN RICE』。

”HAINANESE”は海南省という意味で,”HAINANESE CHICKEN RICE”は海南鶏飯,つまりシンガポール・チキンライスということになるわけですね。

カオマンガイシンガポール・チキンライスって一体どう違うのか?

百聞は一見にしかず,というわけで早速行ってきました。

ブーン・トン・キアットのシンガポール・チキンライス

ブーン・トン・キアットがあるのは日本人が多く住むトンローのジャパニーズビレッジと呼ばれる一角,『J Avenue』というモールの通りを挟んだ真向かいにあります。

  

 

日本食ならおよそ何でも食べられそうなこのエリアで,わざわざシンガポール・チキンライスを食べるというのも面白くて良いですね。

 

f:id:dctyk:20170610122902j:plain

 

お店の外観はこんな感じ。

シンガポール・チキンライスを出すお店ではありますが,もちろんそれ以外のメニューもとても充実しています。

特に気になるのが,看板にもなっている『肉骨茶』,つまりバクテーです。

バクテーとはマレーシアやシンガポールソウルフードの一つ。豚のスペアリブや内臓をスパイスと一緒に煮込んだ鍋料理(スープ)のことです。

実は私,カオマンガイだけではなくてバクテーも大好きなんですよね。

これは両方味わうしかありません!

 

f:id:dctyk:20170610123348j:plain

 

店内は一般的なバンコクのローカル・レストランの佇まいですが,ガラスの扉で閉められた店内は空調のおかげで快適。

こういうお店は扉が開けっ放しで(もしくはそもそも扉がない)エアコンのないお店よりも,気持ち,若干お値段が高めになります。まぁでも涼しいのはやはり気持ちいいですね。

さすがは人気店。ちょうどお昼時の訪問だったため,店内は満席で少し待たされましたが,無事に着席。

なにはともあれ,シンガポール・チキンライスとバクテーを注文しました。

 

f:id:dctyk:20170610123904j:plain

 

こちらが噂のシンガポール・チキンライス大盛りです。

大盛りだと,チキンの量が増えるんですね。

一見してわかるカオマンガイとの違いは,鶏肉です。

カオマンガイは茹でた鶏肉がシンプルにご飯の上に乗せられているだけですが,こちらのチキンはすでに表面にうっすらとタレがかかっています。

お味はどうでしょうか?

チキンを一口頬張ります。

 

あ,チキンが冷たい。

 

これがまずビックリ。

これまで何度かカオマンガイを頂きましたが,鶏肉が冷めているというのは初めてです。カオマンガイの鶏肉は熱々というわけではありませんが,ほんのり温かくて,ご飯と一緒にいただくのにちょうどいいんですよね。

これがシンガポール・チキンライスの特徴なのか,このお店ならではなのか,それともたまたま冷めているチキンがやってきたのかは判別がつきませんが,やっぱり暖かいほうが美味しいと思うなぁ。

(後で聞いたら,冷めた鶏肉をのせるのがシンガポール・チキンライスのスタンダードらしいです)

気を取り直して良く味わっています。

鶏肉にはうっすらと香りと味がついていますが,ほんの気持ち程度でこれだけでいただくわけではありません。

カオマンガイと同じようにタレを自分でかけていただくんですが,このタレこそがカオマンガイシンガポール・チキンライスの最大の違い。

カオマンガイは基本,その店の用意した一種類のタレでいただくのに対して,シンガポール・チキンライスは「ダークソイソース」,「生姜ソース」,「チリソース」,の三種類のタレから自分で好きなものを,もしくは3つのソースを自分好みに混ぜ合わせながらいただくのが特徴です。

こちらのテーブルにもちゃんとその3種のソースが置いてありました。

「ダークソイソース」はカオマンガイのお店でもよく使われている,醤油ベースの真っ黒いソースで,ちょっぴり甘めで深みのある味わいがチキンによく合います。

刻んだ生姜にレモン?ライム?を混ぜ合わせたような「生姜ソース」も,カオマンガイ屋さんで使っているところありますね。店によって味わいは全然違うんですが,こちらの生姜ソースはあっさりとした優しい味わいです。

そして「チリソース」。これはやっぱりシンガポール・チキンライス独特でしょうか。チリソースでカオマンガイをいただいたことはありません。もちろん鶏肉には合うでしょうが,日本人の感覚だとチリソースでご飯をいただくというのはあまりピンと来ませんね。

とは言え,3つのソースから自分の好みのソースを使ったり,少しずつ混ぜ合わせながらオリジナルソースをお皿の上で開発出来るのは楽しいですね。

というふうにチキンライスをいただいていると,またまたカオマンガイとの違いを発見しました。

それは鶏肉。

カオマンガイは鶏を丸ごと茹でるのが基本ですが,こちらの鶏肉はどうも蒸しているんじゃないのかな?という食感なんです。

これはもう完全に個人の好みになりますが,蒸し鶏よりも茹で鶏の方がしっとり仕上がる気がします。

そしてもう一つの違いがご飯。

鶏肉を茹でたスープを使ってご飯を炊き上げるのがカオマンガイの最大の特徴で,かつ美味しさの秘訣ですが,こちらのご飯はこれ,ガーリックライスですね。もちろんガーリックライス自体はとても美味しくて私も大好きですが,カオマンガイのご飯とは確実に一線を画します。

見た目にはそっくりカオマンガイシンガポール・チキンライスですが,細かなところでやっぱり違いがあるんですね。

 

f:id:dctyk:20170610130701j:plain

 

そして忘れてはならないのがこちら,バクテーです。

この様に,骨付きの豚スペアリブがしっかりと入っています。

とは言っても,バクテーは単独でいただくものではありません。

 

f:id:dctyk:20170610130803j:plain

 

ライスも追加で注文しました。

このライスにスープをかけたり,ご飯をスープに浸しながらいただくのがバクテー・スタイルです。

一口スープをすすると,あっさりした味わいの中にしっかりとスパイスの香りがただよいます。

あっさりしているのは,自分で味付けするため。

テーブルの上の各種調味料を駆使して,自分好みの味に仕上げましょう。

個人的には砂糖と,先程のダークソイソースを少しずつ足しながら,味を完成させていくのがおススメ。

あっさりとしながら,コクのあるバクテーがこれで出来上がり。

スパイスの効果もあってか,スープをすすりながらご飯を食べる手の動きが止まりません。

久しぶりのバクテー,しっかり堪能いたしました。

ただ,単純にスープの美味しさだけを比較すると,チキンライスとセットの鶏出汁スープの方が美味しかったのはここだけの秘密です。

カオマンガイ屋さんのスープもそうですが,やっぱりチキンライスのスープもめっちゃ美味しいですね。

 

本日のお会計は,チキンライスの大盛りが82B(≒¥262),バクテーが99B(≒¥317),ご飯が17B(≒¥54)の計198B(≒¥633)。

普段のお昼はフードコートで二人合わせても100Bくらいでおさまっているのを考えると,ちょっと豪勢なランチになりました。

 

では,結論。

カオマンガイシンガポール・チキンライスどっちが美味しいか?

 

個人的にはほんのり温かいキチンと,鶏肉の旨みをたっぷり吸い込んだご飯のマッチングが最高なカオマンガイに一票を投じます。

 

あ,でもでもシンガポール・チキンライスにはシンガポール・チキンライスにしかない美味しさの世界もあるので,ぜひ一度その違いを体験しに,ブーン・トン・キアットさんに訪れてみてください。

 

今日もごちそうさまでした。