タイの晩ごはん

日本での仕事を辞めてタイに移住。ライターとして生計を立てています。非駐在日本人夫婦の生活をご覧ください。

沖縄B級グルメの決定版!キングタコスのタコライスとシーサイドドライブインのスープ

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(キングタコス金武本店)

 

こんにちは。沖縄訪問(帰省)中のタイの晩ごはんです。

本州を強烈な寒波が襲っているようですが,ここ沖縄も結構寒いです。

1年中暖かいと思われている沖縄ですが,冬はちゃんとそれなりに寒いんです。

日中の最高気温はそれでも17℃とかですが,風が強くて体感気温はそれよりもグッと低く感じます。

沖縄の冬をなめてかかると風邪ひきますよ。ホントの話。

寒いときにはやはり美味しいものをいただいて体を温めようとやってきたのが,ここキングタコスの金武(きん)本店です。

 沖縄県民のB級ソウルフードであるタコライス

今やすっかり全国区になったので解説する必要はないと思うのですが,一応簡単に説明させてください。

タコライスとは,メキシコ料理のタコスの具材をご飯に乗っけた,れっきとした沖縄料理。

タコス+ライスでタコライスというわけです。

けっしてタコがのっているわけではありません(お約束なのでここは軽く流してください)。

基地の街である沖縄県中北部の金武町(きんちょう)で,アメリカ軍兵士に安くてボリューム満点の料理を出したのが始まりと言われています。

県内各地色々なところで提供され,ケンタッキーや吉野家でも沖縄限定メニューとして親しまれているタコライス。でもその発祥の地はここ金武町というわけです。

金武町の中でもタコライスの元祖と言えば『パーラー千里』ですが,残念ながら2015年に閉店してしまいました。

しかし,そのパーラー千里と同じ経営者が展開しているのがこちらのキングタコス。

県内様々な場所に支店があり,沖縄県民には『キンタコ』と呼ばれて愛されています。

タイの晩ごはん的にも久々のキンタコなんですが,お店はリニューアルされていて,随分小ざっぱりとした建物になっていました。

聞いたところによると,パーラー千里閉店をきっかけに,キングタコス本店と統合するような形で今の店舗になったそうです。

昔ながらのパーラーの佇まいを見せていたパーラー千里や以前のキンタコも懐かしいんですが,時代は変わっていくものですね。

しかし,肝心の味は変わっていませんでした。

こちらが店内の様子。

 

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1階で注文・精算して,2階でいただくシステムです。

テイクアウトもできます。というかキンタコはテイクアウトが基本で,店舗によってはテイクアウト専門店になっているくらい。

そしてこのキンタコはオーダーの仕方がちょっと独特なので注意が必要です。

タコライス系のメニューには,

タコライス(¥500)

タコライスチーズ(¥600)

タコライスチーズ野菜(¥700)

の3つがあるんですが,適当にタコライスを注文すると痛い目を見ます。

というのも,このお店の『タコライス』はご飯にひき肉が乗っただけのもの。

チーズと野菜をトッピングした『タコライスチーズ野菜』を注文してはじめて,いわゆるタコライスが食べられるんです。

これまで何度もこの店に足を運びましたが,『タコライス』を食べている人を見かけたことがありません。誰が食べるのかな?あれはもはや挽肉ライスですよ。

キンタコには他にもビッグサイズのチーズバーガーや,チキンバラバラという名物メニューもあるんですが,ここは素直にタコライスチーズ野菜(面倒なので以下タコライス)とタコスを注文。

こちらがそのタコライスとタコスです。

 

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パーラー千里ではキチンとお皿に盛られていましたが,キンタコでは店内で食べる場合もこうやってプラスチックの容器で提供されます。

このてーげー加減がいかにも沖縄らしいですよね。

「てーげー」とは適当とか,ホドホドといった感じのニュアンス。

タイの「マイペンライ」にも通じるところがありますよね。さすが南国。

てーげーがいい意味か悪い意味を取るかは文脈によります。

キンタコのてーげー加減がどちらかはご想像におまかせいたしますね。

 

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しかし,初めて見るとビックリするか笑いだしちゃうくらいのボリュームですよね。

ピリ辛スパイシーに味付けされたひき肉の上に,たっぷりのチェダーチーズ,そしてこれまたたっぷりのレタスにトマトがのっかっています。

ここにケチャップかタコソース(チリソース)をかけていただくんですが,何しろこの盛りですからね。

こぼさずに食べるのは不可能です。

ここは割り切って,ワイルドにワシワシといただきましょう。

久々にいただくキンタコのタコライスですが,やっぱり美味しい!

パーラー千里もキングタコスも経営者が一緒で,出している料理も全く同じものなので,これこそ本当の元祖・タコライスの味です。

こんなにもボリューミーなのに,不思議とあれよあれよと食べ進み,あっという間にペロリと完食。

スパイシーなひき肉にチーズの旨味が加わったところに,レタスとトマトの爽やかさが絶妙なアクセント。それらをタコソースが一つにまとめあげて,めちゃくちゃ美味しいんですよ。

店内にある自販機(これも考えるとおかしいですが)で買ったコーラと一緒にいただくとさらに無国籍感が漂い,これがある意味沖縄の真髄だよなぁと妙に納得してしまうんです。

 

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そしてこちらがタコス(4P¥600)です。

タコスもタコライスに負けず劣らずのボリューム感。

普通タコスというと,具が生地に収まっているんですが,ここのタコスは生地から具がはみ出しちゃっています。

やはりこれもこぼさずに食べるのは不可能なので,可能な限り口をあんぐりと広げて,かぶりつくようにいただきましょう。

タコライスがあんなに美味しいんですからね。タコスも美味しくないわけがありません。

ご飯じゃない分,さらにペロリですよ。

久々にいただきましたが,やっぱり美味しいですね~。

ボリュームたっぷりでピリ辛のタコライスにタコスをお腹いっぱいいただいたおかげで,体もポッカポカです。

もうこのままゆっくり休んでもいいところですが,もう一軒行っちゃいましょう。

 

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沖縄の一大リゾート地,恩納村にあるドライブインレストラン『シーサイドドライブイン』です。

創業今年でなんと50年という老舗のドライブインレストラン。

沖縄らしく,アメリカのドライブインレストランの影響をドップリと受けたこのシーサイドドライブインは,ずっと変わらない姿で地元の人に愛されています。

有名リゾートホテルが立ち並ぶ恩納村ですが,ここシーサイドドライブインはまさに地元のレストラン。停まっている車もレンタカーではなく,地元ナンバーばかりですが,NHKの人気ドキュメント番組『ドキュメント72時間』で取り上げられたこともあったので,もしかするとご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

レストランなので当然店内で美味しい料理をいただくこともできるのですが,こちらの目玉はやはりここ。

 

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テイクアウトコーナーです。

このテイクアウトカウンターは何と24時間営業。

いかにもドライブインレストランといった風情のハンバーガーやサンドイッチももちろん美味しいんですが,ぜひ飲んでいただきたいのが『スープ(¥200)』です。

先ほどの『ドキュメント72時間』内でもあつかわれていましたが,ホームメイドのスープはこちらの看板商品。

片栗粉でとろみがついたマッシュルームスープに,コショウをたっぷりかけていただくのが地元の流儀です。

このスープを片手に,目の前のビーチに向かいます。

 

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風が強くて肌寒いですが,このスープのおかげで体の中からジンワリと温まります。

昔と変わらない味のこのスープ。懐かしさを溶かし込んだような美味しさです。

スープとこの景色が一体となって醸し出すこの味わいが何とも言えないんですよね。

国道58号線のバイパスが開通した影響で,一見さんにはちょっと行きにくい場所になってしまいましたが,恩納村の隠れスポットとしてぜひ一度訪れてみてください。

 

 

Wikipediaによると,B級グルメの定義は「安価で、贅沢でなく、庶民的でありながら、おいしいと評判の料理」なんだそうです。

その概念で言うと,キンタコのタコライスもシーサイドドライブインのスープも,まさに「安価で、贅沢でなく、庶民的でありながら、とってもおいしい」料理。

しかもキンタコは30年以上,シーサイドドライブインに至っては50年にもわたって地元ウチナーンチュに愛されてきた味です。

これからもずっとかわらずにそこにあってほしい。

そんなお店があるのは本当に幸せなことですね。

 

今日もごちそうさまでした。