(プロンポン・ウタイ)
こんにちは,タイの晩ごはんです。
カオマンガイ と並んで人気なのがガパオライス。
日本でも人気急上昇中で、コンビニでも販売されているほど。ちょっとビックリです。
そんなガパオライスの美味しいお店がプロンポンにあると聞いたので,早速行ってきました。
お店の名前は『ウタイ』。
場所はBTSプロンポン駅から徒歩数分,日本人ご用達の『フジスーパー』からもすぐ近くになります。
タイの他の店同様,このウタイさんも一見,名店とは思えない佇まいですよね。
ただ,入り口に構えている厨房に目をやると二人体制で鍋をふるっていました。
これぐらいの規模の店だと,通常鍋をふるうのは一人だけで,もう一人がアシスタントという形が多いんですが,さすが人気店。数多くの注文をさばいているんでしょう。
お昼には満席で座れないこともあると聞いていたんですが,今回お邪魔したのは13時前ということもあり,一つだけ空いていたテーブルに座ることが出来ました。
注文すると早速運ばれてきたのがこちら。
「ガパオガイ・カイダオ・ピセー」です。
ガイが鶏肉(カオマンガイの“ガイ”ですね),カイダオが目玉焼き,ピセーが大盛りで,「鶏肉のガパオライス,目玉焼き乗せの大盛り」ということになります。
そしてこちらが『ガパオムーサップ・カイダオ・ピセー』。
ムーサップが豚の挽肉という意味で…(以下略)。
冬瓜のスープも一緒に運ばれてきました。
こちらはサービスとのこと。
ただ、同じようにガパオライスを食べている他のテーブルを見渡してもスープはありません。
大盛りで注文するとスープもついてくるんでしょうか?
よく分かりませんでしたが,せっかくのでありがたく頂戴します。
まずはガパオガイから。
鶏肉の間に赤い唐辛子が顔を出していますが,思ったほど辛くありません。
オイスターソースがよく効いたソースは濃い目の味付けで,ご飯によく合います。
さっぱりした鶏肉にインゲンがいいアクセントになってご飯がとまりません。
うんうん,噂通り美味しいじゃないですか。
ご飯と別盛りではなく、こんな風にオン・ザ・ライスならではの美味しさってやっぱりありますよね。
日本ではカツ丼が男子の心の味ですが、タイではこのガパオライスこそがソウル・フードなのでしょう。
ガパオムーサップの方も味付け自体は同じながら,豚ひき肉の分さらにガッツリで,これぞまさに男飯。
味付け自体は濃い目なものの,ガパオライスの命,バジルが全体を爽やかにしてくれているので,しつこさはまったくありません。
ガッツリしているのにサッパリ,サッパリしているのにボリューミーという,暑いバンコクにうってつけの料理です。
バクバク食べてモリモリパワーが出る,お昼にはピッタリの一皿ですね。
スープは鶏出汁のあっさりスープ。
ガパオライスの味付けが濃い目な分,スープが口の中をさっぱりと洗い流してくれます。
ガパオライス,スープ,冬瓜の後にガパオライス,さらにスープ…のエンドレス。
気がつくと大盛りにも関わらず,あっという間に完食です。
惜しむらくは,目玉焼きが固焼きだったこと。
これが半熟だったらなー。
ピリ辛でオイスターソース味の鶏肉と豚ひき肉に卵の黄身がまっとり絡みつくと…想像しただけでたまりません。
料金はそれぞれ60B(大盛り分+10B)で計120B(≒¥384)なり。
目玉焼きこそ残念だったものの,大満足のガパオライスでした。
ただ,食べ終わってふと思ったのが,
これ,家でも出来るんじゃない?
ということ。
多分,そんなに難しい料理じゃないですよね。
レシピなしでもいけるはず。
というわけで,材料を仕入れて早速試してみることにしました。
お家ガパオライス
まずは材料です。
『ウタイ』のガパオガイは鶏胸肉を使っていましたが,鶏のささ身が安かったので,今日はそちらを使います。
ささみが5本で21B(≒¥67)。安いですねー。
そしてこちらがガパオラスになくてはならない「ガパオ=バジル」です。
バジルとは言っても日本でよく見るスイートバジルではなく,英語で言う”holy basil", 日本語では「カメボウキ」というシソ科の植物です。
実は私もずっとガパオ=スイートバジルだと思っていたんですが,違うものなんですね。
触ってみると確かにスイートバジルとは別物で,全体的にゴワゴワしています。
香りも爽やかというよりもそれこそ草のような香り。
お値段は1パックで7B(≒¥22)でした。写真にあるのはその三分の一ほどでしょうか。
では,調理を始めましょう。
まずは鶏ささみを茹でていきます。
本当は筋を取ったほうが良いんですが,この後裂いて炒めるので,今日はそのまま茹でました。それでも全く問題はありませんが,気になる方は取ってください。
火が通ったら手で裂いていきます。
食感が良くなるよう,必ず手で裂いて下さい。あまり細かくしすぎると食べごたえがなくなるのでちょっと大きめに。熱いので気をつけてくださいね。
茹で汁は後で使うので取っておきましょう。
フライパンに潰してみじん切りにしたニンニク,刻んだ赤唐辛子(鷹の爪でもOK)を油で炒めて香りを引き出し,ニンニクの香りがたったところにささみを入れます。
鶏肉は十分火が入っているのでサッサッと炒めたら,先程の茹で汁を大さじ2~3ほど入れ,砂糖小さじ1,オイスターソース大さじ1~2,ナンプラー(もしくは醤油)小さじ2,塩・コショウ少々で味を整えます。各調味料は適当に加減してください。
ガパオも入れてさらに火を入れます。
火を入れることによってガパオの香りも開いて,バジルらしい爽やかな香りがキッチンにたちこもります。生のときとは大違い。火を入れて真価を発揮する香草なんですね。
ガパオがしんなりとしたら完成です。
こちらが出来上がったお家ガパオライスです。
余った茹で汁に塩コショウ,醤油で味付けしてスープにしちゃいましょう。鶏の出汁がしっかり出た美味しいスープになりますよ。
見た目はなかなか美味しそうに出来ましたが,お味はどうでしょうか?
うん,美味しい!
胸肉の代わりにささみを使いましたが,ちゃんと美味しい。
胸肉よりもさらにフワフワ柔らかいので,逆にこっちでも良いくらい。
オイスターソースの味付けもちゃんと決まっています。
ご飯自体もソースを吸い込んで、別次元の美味しさ。
そして問題の目玉焼きです。
半熟に仕上げた目玉焼きをフォークでぷっつり突き刺し,トロリと流れ出てきた黄身を鶏肉,ご飯に絡めていただきます。
くぅ~,美味しい~。
これこれ,これですよ。
甘みと辛味としょっぱさの混じった鶏肉が,卵の黄身のウエディングドレスをまとってご飯にお嫁入り。
口の中はガパオライスのハネムーン状態です。
やっぱり半熟の目玉焼きだとガパオライスの味がさらにグレードアップしますね。
もちろん全体的な完成度はお店のガパオライスには及びませんが,十分満足できる味に仕上がりました。
なにしろこれで一人前50円しないんですからね。
お家ガパオライス万歳です。
いかがでしたか?
ガパオの代わりにスイートバジルを使う場合は,お皿に盛り付けた後にバジルを散らすと,スイートバジルの香りが飛ばずに美味しくいただけますよ。
ガパオ以外は日本でも手に入る材料ばかりなので,ぜひ今度お家ガパオライスを作って,タイ気分を味わってみてください。
今日もごちそうさまでした。