こんにちは,タイの晩ごはんです。
タイで醤油などの日本の調味料はわりと手軽に購入できるのですが、困るのが味醂。
味醂が売っていないわけではありません。高いのです。タイで味醂は。
というのも、タイで売られている本みりんはお酒扱い。
酒税が高いタイでは、そのため味醂も高いんですね。残念!
しかしそんなタイのみりん難民を救ってくれる、心強い存在があります。
それが、Siamsatoです(以下、サトー)。
こちらがそのサトーです。
Siamsatoはタイのコンビニやスーパーで売られている、ごくごく庶民的なお酒。
同じサイズのビールが60B(≒¥210)ほどするところ、サトーは37B(≒¥125)。タイのアルコールの中では群を抜いて安いお酒です。
ただ、味的には…。正直ウ~ンという感じ。
私が初めてサトーを飲んだのはタイに移住する前、旅行で訪れた時のことでした。
コンビニではビールの隣にこのサトーが並んでいて、その値段の安さに引かれて購入しました。
ところが飲んでみてビックリ。
ビールと思って飲んだら炭酸はないし、甘いし、ビールとはまるで別物。まあビールではないので当たり前なんですけどね。
日本酒か白ワインをもっと甘ったるくしたような味わいで、ちょっと飲むには良いんですが、一本空けるのはちょっとキツイ。
ビールと間違えて買ってしまうこのサトー・トラップは、おそらくタイ移住者あるあるの一つではないでしょうか?
で、このサトー。
何しろ甘いお酒ですから、味醂代わりに使えるのです。
本当にサトーが味醂代わりになるのか?実験してみました。
比較のために同じ料理を,味醂とサトーで使い分けたレシピで作ることにします。
作るのは鶏の照焼き。
食べなれた料理なので、違いも分かりやすいでしょう。
まずは鶏のもも肉に塩コショウ。軽く小麦粉をはたいて下ごしらえ完了。
小麦粉はなくても構いません。
フライパンに油をしいて,鶏肉を皮目から焼いていきます。
皮がパリッとなったら裏返し,フタをして蒸し焼きに。火加減は弱火~中火の弱火くらいで。
鶏肉に火が通ったら,醤油1:味醂1:お酒1の割合で混ぜた調味液を注ぎます。
この割合は黄金比で、大抵の日本料理はこれで味がバッチリ決まります。
調味液を煮詰めるように鶏肉に絡ませれば完成です。
同時に別のフライパンで、サトー版も仕上げます。
作り方は全く一緒で、味醂の代わりにサトーを使うだけ。
果たしてどうでしょうか?
こちらが味醂を使った普通の照り焼き。
そしてこちらが、サトーで作った照り焼きです。
見た目はほとんど変わりませんね。
サトーの方も照りがちゃんとついています。
味はどうでしょうか?
まずは普通の照り焼きの方から。
うん、やっぱり美味しい。鶏の照り焼き。
ふっくらとした鶏肉の身に,甘辛のタレが絡んでとても美味しいです。
ではでは続いてサトーの照り焼き。
こちらはどうかな…。
あれ?
普通に美味しい!
美味しいですよ!!
食べ比べてみると、味醂を使った鶏肉の方が若干旨味とコクの深みが強い気がしますが、それは食べ比べて分かるくらいの僅かな差。
サトーの照り焼きも、黙って食べれば味醂を使っていないなんて分からないと思います。
正直、こんなに近い味になるとは思いませんでした。ビックリです。
嬉しい誤算というべきものでしょう。
では結論。
サトーは味醂の代わりになります。
ちなみに、焼酎を味醂で割る「直し」というお酒が存在します。
サトーでこの直しも試してみたのですが、ちゃんと直しになっている!
というわけでタイ在住の皆さん、これからはお高い味醂ではなく、サトーで十分ですよー。
サトーを使って、タイでも美味しい和食をドンドン作っちゃってください!
今日もごちそうさまでした。
余談ですが、日本では本みりんとは同じように売られている『みりん風調味料』もありますよね?
これはお酒販売の規制が強かった時代にアルコールを扱えないスーパーなどでも販売できるよう、アルコール度数を1%未満にしたものです。
本みりんとみりん風調味料を比べると、やっぱり本みりんの方が美味しくお料理が仕上がります。少し値段が高くても、本みりんを使うことをオススメします。
タイではみりん風調味料は見たことないですね。