こんにちは、沖縄そば大好きタイの晩ごはんです。
今やすっかり全国規模になった沖縄そばですが、一番人気はやはり、ソーキそば。
「沖縄そば=ソーキそば」と思い込んでいる人も多いかと思います(沖縄そばとソーキそばの違いについては前回の記事を見てね)。
そんな沖縄そばの中でも地味なポジションなのが、野菜そばではないでしょうか。
しかし読谷村の人気食堂である「花織(はなうい)そば」の野菜そばは、そんじょそこらの野菜そばとは違います。
野菜そばというのは、沖縄そばの上に肉野菜炒めがトッピングされたもの。
野菜がたっぷり取れてヘルシーなんですが、やはりソーキそばやゆしどうふそばなどのスターに比べると、あまり人気がありません。
ところが、花織の野菜そばはピカ一。キラリと輝くまさに主役級の美味しさなのです。
何しろ自分は、花織そばに行くと野菜そばしか頼まないほど。
花織そばの野菜そばは、他所のそばと何が違うのか?
それについて述べる前に、まずは花織そばの場所から。
花織そばは国道58号から少しそれた場所、ホテル日航アリビラからは車で10分弱の場所にあります。
自分が10代の頃から通っている、花織そば。
実は今回、およそ20年ぶりの訪問となります。
花織そばのことを忘れていたわけではないんですが、なんとなく帰省のたびに行きそびれていたんですよね。
お店の感じは20年前と全く変わりませんが、その間に観光客も訪れて行列ができるほどの人気の食堂になっているようです。
こちらが、その花織そばのメニュー。
全メニューに写真と英語表記があるので、外国人はもちろん観光客にも分かりやすいですね。
一番人気はやはり、ソーキそばであるところの「花織そば」。
ところが、花織そばの沖縄そばはそれだけではありません。
自分の推しそばであるところの野菜そばだけではなく、かなりのバリエーションを揃えています。
レバニラそばなんて、ほかで見たことないですよ。
沖縄のやきそばは、当然ですが(?)沖縄そばの麺が使われています。
食堂のやきそばは普通にソース味なんですが、これが家庭になるとケチャップ味になるから、面白い。
沖縄そばの麺に、ケチャップ味ですよ?もはや焼きそばでもナポリタンでもない。しかしこれも、沖縄。
沖縄そば以外の定食メニューも充実しており、しかもどれもボリュームがすごいので、花織そばに行く時には必ずお腹ペコペコの状態にしておいてください。
お待たせしました。こちらが、花織そばの野菜そば!
コップと並べると、その迫力が少しは伝わるでしょうか?
沖縄そば界における野菜そばは、野菜炒めが山盛りになっているのがデフォなのですが、花織そばのは丼自体がデカい。麺なんて全然見えないですよ。
野菜炒めの山をかき分けると、ようやく麺が顔を出してきました。
麺と野菜を同時に食べ続けても、最後まで野菜が残るほど。
麺は中太で食べごたえもバッチリ。
そして花織そばの野菜そばを至高の存在まで引き上げているのが、このスープです!
スープがすんごい美味しい。
花織そばが提供しているほかの沖縄そばとは、そもそもスープの味が違うんです。
どうしてかというと、(おそらく)肉野菜炒めを作っている途中で、沖縄そばのスープを中華鍋に加えているから。炒め煮のような感じになるわけですね。いわゆる、札幌ラーメンと同じ作り方をしているのでしょう。
そうすることで野菜の甘味と、特に椎茸の旨味がスープに染み込むんです。
沖縄そばのスープは、豚骨とかつおだしのWスープ。
そこに椎茸が加わるわけですから、不味くなる要素が全くない。
普通は肉野菜炒めをトッピングするだけですが、花織そばではこの独自の作り方で、唯一無理の野菜そばを作り上げているのです。多分。
少なくとも、ほかでこんな野菜そばは食べたことがない。
ぜひ一度、お試しいただきたい味です。
妻が頼んだのは、フーチャンプルー(フー炒め定食)。白ごはんを、大好きなジューシーに変えてもらっていました。
フーチャンプルーというのは、車麩を水に戻して溶き卵に浸したものを、チャンプルーに仕立てたもの。沖縄では昔からある家庭料理です。
沖縄の車麩は本土のものよりもグルテンが倍近くあるらしく、もっちりとした食感。そのため、チャンプルーにすると食べごたえもあるのです。
このフーチャンプルーもかなりのボリュームなのですが、注目してほしいのは味噌汁代わりの沖縄そば。
ね、野菜そばとはスープの色が全然違うでしょ?
豚骨ダシがメインとなっている花織そばの基本のスープは白っぽいのですが、野菜そばのスープは褐色。肉野菜炒めの旨味がスープに乗り移っているのがよく分かると思います。
沖縄そばとは違うのだよ、そばとは!
そしてもちろんフーチャンプルーも美味だったことは、言うまでもありません。
20年ぶりの訪問となった花織そば。
値段こそ少し上がっていたものの、ボリュームも、そして何より味わいも昔のまま。
20年の空白を埋めてくれる満足度の高さでした。
ぜひこのスタイルを、これからも貫いてほしいです。特に、浜屋さんには花織そばを見倣ってほしい…。
今日もごちそうさまでした。