(日本の菜の花畑)
こんにちは,タイの晩ごはんです。
バンコクで生活していてると日本のありがたさを改めて感じることがあります。
その一つが四季。
常夏のタイにいると四季がある国の良さをしみじみと感じますね。
季節によって変わる景色,情景,そして食べ物。
四季折々,その時々の旬のものを食べる喜びって代えがたいですよね。
でもこの間いつものように買い物に出かけたスーパーで,そんな季節を感じる食材に出会いました。
菜の花です。
タイにも菜の花があるんですね,ちょっとビックリ。
しかも見切りで半額の12.5B(≒¥40)になっていました。
本当はこういうものは新鮮なものを手に入れたいんですが,スーパーの売場中を見渡しても他にはなかったので,これを購入して帰りました。
タイにも菜の花畑ってあるんでしょうか?
多分,ないと思います。
というのも菜の花というと,冒頭の写真のような春に黄色い花を咲かせるものを思い浮かべると思いますが,実はアブラナ科の花の総称で,大根もキャベツもブロッコリーも小松菜も,花はみ~んな菜の花なんですね。
私たちが普通にいただいている菜の花は普通食用アブラナですが,この子の正体は一体何なんでしょうか。
ちなみに最初の写真の菜の花は,油をとるためのセイヨウアブラナでした。
どちらにせよ春が旬であることに違いはありません。
タイで春の味覚を味わえるなんて嬉しいじゃないですか。
普通は和物にしたり,炒めたりして食べることが多いと思いますが,我が家での菜の花の食べ方は決まっています。
それはパスタです。
では早速調理していきましょう。
菜の花のパスタ
まずはお鍋にたっぷりのお湯を沸かしてパスタを茹でます。
塩もたっぷり入れてください。しょっぱいくらいでちょうどいいです。
パスタが茹で上がるまでの間にソース作りです。
フライパンに一人分あたりカレースプーンで4杯分のオリーブオイルと,ニンニク片×人数分,唐辛子を入れて,そこから弱火にかけて香りを出していきます。
ここはタイなので生の赤唐辛子を使いましたが,鷹の爪でももちろん大丈夫です。唐辛子は中の種が実は辛いので,パスタの時には種を取り除いて使うと良いですよ。
ニンニクと唐辛子が焦げないよう,必ず全部鍋に入れてから火をかけてください。約束です。
ニンニクのいい匂いがしてきたら,短冊状に切ったベーコンを投入してさらに香りを引き出していきます(今日はハムを使いました。何でも良いですよ)。
ベーコンにいい感じで焦げ目がついてきたら,お玉一杯分のパスタの茹で汁を鍋に入れましょう。この時に「ジュワー」と音がしたら火が強すぎです。弱火のままで大丈夫。
鍋の中で油と茹で汁を手早く混ぜ合わせましょう。水と油の関係のはずが,しっかりと混じり合うはずです。これを乳化といいます。パスタソースづくりで一番大事なポイント。試験にも出るのでちゃんと覚えておきましょう。
このように菜の花をざっくりと切っておきます。
下茹では必要ありません。
乳化したソースの中に入れちゃってください。
菜の花が主役なので,たっぷり入れましょう。
塩,コショウで味付け。
隠し味に醤油を少したらすとすばらしく美味しくなります。
そうこうしている間にパスタが茹で上がったと思います。
しっかりお湯を切って,鍋に入れて混ぜ合わせましょう。この時に火は切ってください。ここでさらに炒めちゃうと焼きそばになっちゃいますからね。
パスタとソース,菜の花がしっかり混じり合ったら完成です。
仕上げにゴマをふっても美味しいですよ。
まさかタイで食べられるとは思っていなかった菜の花パスタ。
それではいただきます。
パスタと菜の花を頬張ると,口の中に菜の花独特の苦味と旨みがジンワリと広がります。
ニンニクの香りとピリリとした唐辛子の辛味も良く合いますね。
そして隠し味の醤油もしっかりといい仕事をしています。パスタと醤油って実は相性良いんですよ。トマトソースにもちょっぴり入れると味の奥行きが広がります。
1年ぶりの菜の花パスタ。
あっという間に完食です。
流通と栽培方法の発達で年中食べられるようになった食材もたくさんあって,それはそれでもちろんありがたいんですが,こうやって1年のうちのわずかな時期に旬の食材で美味しい料理をいただくと,食べ物のありがたさをしみじみと感じますね。しかもここタイで菜の花パスタをいただけたわけですから,こんなにうれしいことはありません。
日本だともうそろそろ菜の花の旬も終わりでしょうか?
もし今年まだ菜の花を召し上がっていない方がいらっしゃったら,今週末にでも家で作ってみませんか?
暑いタイでも日本の春の息吹を感じることが出来た菜の花パスタ。
今日もごちそうさまでした。