(事故の直後の様子)
こんにちは,タイの晩ごはんです。
朝,いつものように家の前のバス停でバスを待っていると,突然『ガシャン!』という激しい音。
驚いて振り返ってみると,タクシーとバスが衝突事故を起こしていました。
交差点の少ないバンコクの道路では,所々にUターンができる場所が設けられていて,このタクシーもそこでUターンをしようとしたところ,真っ直ぐ走ってきたバスにぶつかってしまったようです。
もちろん当事者が一番大変ですが,こうなるとバスの乗客にも被害が及びます。
皆バスを降りて次のバスに乗り換えるわけですが,バス会社が異なればもちろん,同じ会社でも車掌さんの対応がしっかりしていないと,もう一度運賃を支払う羽目になってしまいます。
このバスはエアコンバスでしたから,ノンエアコンバスよりも高い運賃を支払っていますので,正直心中穏やかではないはずですが,みなさん文句も言わずに次のバスに乗っていきます。
こういうところでもマイペンライの精神が発揮されているのかもしれませんね。
それにしても,バンコクではこうした事故は日常茶飯事です。
交通量が多いこと,そして必ずしも運転技術とマナーが高くないことも相まって,この半年だけでも何度か事故の現場を目撃しました。
先日もバスに乗っている時のこと。バス停を発車しようとしたバスが,乗り込もうとしていたおばあちゃんを見落として振り落してしまう,という事故もありました。
こうなると人身事故ですからね。しばらく一悶着あったのですが,結局バスの運転手とおばあちゃんは近くの病院へ行ってしまい(その事自体は当然なんですが),取り残された私たちも仕方がないので後からやってきたバスに乗り換えました。
もしもバンコクで自動車やバイクに乗ることがあれば,くれぐれも運転に気をつけてください。バスやタクシーに乗客として乗っているときでも,いつ事故に巻き込まれるかわかりませんからね。
さて,前置きが長くなりましたが,当ブログでもしばらく懸念となっている タイのワイン事情 についてです。
今回も新たに見かけたタイワインを購入してきました。
『BOSS LAKE HILL』というワインで196B(≒¥627)でした。
このくらいの価格帯である程度美味しいタイワインを探し当てるのが目下の目標。
さて,この子はどうでしょうか…
というわけで,本日の晩ごはんです。
実は今日のお昼食べすぎちゃったので,チーズのみ。
これだと,夕食はほぼワインみたいな体ですね。
これまでのタイワインと同じように,エッジは枯れかかったようなレンガ色。
香りは酸味の他にベリー系の甘い香りと,ほのかにスパイスを思わせる香りがします。
さっそく頂いてみましょう。
思った通り酸味が強い!
これはこれまで頂いた,他のタイワインと全く同じ傾向です。
どうしてここまで酸味が強いのか?
1本だけならまだしも,ここまで続くと品質管理の悪さから来る劣化とは考えられません。
これはもうタイワインの特徴と捉えるしかないですね。
でも,さらによく味わってみると,酸味の向こうに木苺のような甘みと香り,そしてチョコレートのようなスパイスっぽい香りも漂います。
タンニンはほとんど感じられません。
と,ふと思いついて鼻から香りを抜けさせるのをやめたら,これが結構良いんですよ。
ワインに限らず,口に含んだものをよく味わうには鼻孔から香りを抜けさせるのが大事で,そうすることによって細かい味の違いも分かるようになります。風味って言いますもんね。
ところが,このワインは酸味がまず先にたつので,あえて鼻から香りを抜かないようにして飲むと,酸味が弱まり,他の味が際立ってくるんです。
ワインの味わい方としては邪道かもしれませんが,こうやっていただくと甘みと香りが強まって,フレッシュで美味しく感じられるようになってきました。
なるほど,酸味の強いタイワインもこうやって飲めば美味しくなるのかぁ。
と納得しかけたその時,思いもかけない事実を突きつけられました。
タイワインの衝撃の真実
それはラベル裏に記されていた,『natural blend of black galingale』という一文。
『galingale』という単語が何を意味するか分からなかったので,購入時にはスルーしていたのですが,気になって調べてみると,『galingale』は日本語で『かやつりぐさ』と言うそうです。
『かやつりぐさ』って何よ?とさらにググってみると,
カヤツリグサ(蚊帳吊草、莎草、学名: Cyperus microiria[1])は、カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年生植物。道端や田畑にも出現する雑草。マスクサ(枡草)ともいう[注釈 1]。
近似種が多く、多くの場合にそれらが混同されている。
(Wikipediaより)
えーっと,つまりこのワインにはカヤツリグサという雑草をブレンドしていますと…
えー?!このワインってブドウ酒じゃないの??
雑草なんかでワインできちゃうの??
ちょっと動揺が激しいので,気を落ち着かせるためにさらに色々調べてみました。
スペインには『オルチャータ』と呼ばれる,カヤツリグサの地下茎を乾燥させたもので作られるドリンクが夏の定番としてあるんだそうです。
そう言えば,謎の多いタイのワイン の記事にも書きましたが,タイワインのラベルに書かれていて気になっていた "BLACK RHIZOMES RED WINE” という表記。
前回はあまり深く考えなかったのですが,これはつまりカヤツリグサの地下茎(Rhizomes)を使って造られたワインですよ,という意味だったんですね。
なんてこったー!!
てっきりワイン=ブドウ酒と思い込んで飲んでいましたが,タイワインってそもそもブドウ酒じゃないんですか?
日本だとワイン=ブドウ酒で,葡萄以外の果物で造られたワインは『フルーツワイン」という風に表記されていますから,葡萄以外のものが使われているなんて発想は頭からありませんでした。
ブドウ酒と思って飲んでいたら,そりゃ酸味が強かったり,ワインのようなタンニンがほとんど感じられないのもそりゃ当たり前ですよね。
この衝撃の事実を前にして激しい脱力感。
もちろん,タイワインにもちゃんとしたブドウ酒もありますし,フルーツワイン自体を否定するつもりもありません。
一番最初にタイで飲んだワイン はちゃんとカベルネ・ソーヴィニヨン種のブドウを使ったワインでしたし。
でもまさか,ワインコーナーに普通に並んでいるワインがブドウ酒じゃなかったとは…
そしてそれをワイン(ブドウ酒)と思い込んで飲んでいたとは…
タイ,ちょっと凄すぎます。
とてもマイペンライなんて言ってられる余裕はありません。
でもしかし,これでタイのワイン売り場にはブドウ酒ではないタイワインも普通に混在していることがわかりました。
これはこれで,タイワインの真実に一歩近づいたと言っても過言はないでしょう(多分)。
今回発覚した事実に,それこそ事故に遭ったかのような衝撃を受けましたが,気を取り直してこれからもタイワインを極めたいと思います。
次回こそは絶対にタイのブドウ酒を飲むぞ!と拳に力を込めつつ…
今日もごちそうさまでした。
なんだかなぁ…